色にちなんだ「良いイメージ」「悪いイメージ」

今回は「色」を使った言葉を巧みに取り入れた創作落語を紹介します。発表したのは桂三度さん(かつては「世界のナベアツ」や本名の「渡辺鐘」名義で活動されていました)です。

「虹」という演目では、虹の七色がそれぞれ喋ります。ある時、黒が「虹に入りたい」と言い出しました。虹は一斉に黒を追い返そうとしますが、黒は寂しそうに切り出したのです。

「自分は何かと嫌なイメージの物事に使われ、もう嫌だ」といったことを黒は話し始めました。「葬式」「白か黒か」「腹黒い」などといった言葉を並べて悲しそうにしたのです。

すると、それを聞いていた赤が「ちょっと待て」と制止しました。そして「お前、儲かった時に何って言うか? 『黒字』って言うやろ?」と問いかけ、黒を励ましたのです。

「それに比べて俺(赤)なんてどうや? 『赤字』やぞ。もう『赤っ恥』ですわ」と、赤を使った嫌なイメージの言葉を続けました。黒にも良い表現はあり、黒がうらやんでいる色にも嫌なイメージがあると伝えたかったのでしょう。

そんな会話に通じるエピソードが私にもございます。

かつて、私がイベントでカラーセラピーを行なった際、暗めの色のカラーボトルばかりを選んだ方が「私ってお先真っ暗ですか?」と、ため息を付きながら私に尋ねたことがありました。私はすぐに否定しました。

そして、三度さんの落語同様、選んだボトルの色にちなんだ良い言葉やイメージを提示しました。その際「悪いイメージと思いがちでも、良い面もありますよ」と加えました。すると、その方は安心し、元気を取り戻されました。

色やそれを用いた言葉に対するイメージは様々です。そこでどのように考えるかは人それぞれかも知れませんが、「この色は何だか悪いな」などと思った時は、少し視点を変えてみると、新たな発見があるかも知れません。

良いと思われがちな色にも、悪いイメージが付く場合もございます。そういった点から考えると「万能」という色は無いのかも知れません。色の個性を受け入れるのも、色を楽しむ要素だと考えています。

落語の続きは触れませんが、色を業としている私にとっては、色に対する視点を広げる良作だと思いました。