日本の褒章制度と色彩言語の共通点

日本では毎年、4月29日(昭和の日)と11月3日(文化の日)に、「叙勲(じょくん)」「褒章(ほうしょう)」が授与されます。どちらも明治時代から続くもので、新聞やテレビでも話題になりますね。

今回は「褒章」について綴りますが、平成29(2017)年の春は、将棋の佐藤康光九段や、バレリーナの酒井はなさん、落語家の柳家さん喬さんなどが受章されました。

この御三方に贈られたのは「紫綬褒章(しじゅほうしょう)」です。紫綬褒章は、科学技術分野での発明や発見をされた方、学術・スポーツ・芸術分野において優れた功績を挙げた方に贈られます。

御三方とも、スポーツや芸術分野の功績が認められたと言えます。

紫綬褒章…つまり「紫のリボンがついたメダル」なのですが、紫は元々「芸術性や独創性を表す色」とも言われています。美しさの表現や新たな世界の創造などが求められる御三方にふさわしい色ですね。

かつて、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、オリンピックで金メダルを獲得した直後に紫綬褒章を受章したことが話題になりました。美しさの表現に受章者の年齢は関係無いと感じる出来事でもありました。

日本には紫綬褒章を含め、6種類の褒章があります。それぞれの色は偶然にも「色彩言語(色が持つメッセージ)」の視点から見ても納得のものです。紫綬褒章以外について、簡単にですが見ていきましょう。

◉紅綬褒章(こうじゅほうしょう) → 身の危険を顧みず、人命救助に尽力した方への褒章。紅(赤)には「危険」の意味がある一方「情熱、瞬発力」なども表すため、一刻一秒を争う場面での功績がひと目で分かるでしょう。

◉黄綬褒章(おうじゅほうしょう) → 農業・工業・商業などにおいて、他の模範となる技術や業績を持つ方への褒章。黄色には「研究」の意味があり、それを世に広める「光」のような存在になったと見ることも出来ます。

◉緑綬褒章(りょくじゅほうしょう) → 長年にわたって社会奉仕活動に従事し、顕著な業績を挙げた方への褒章。緑には「平和、平穏」の意味があり、社会において「バランス」を取る役割を担ったことを認めた褒章ともなりますね。

◉藍綬褒章(らんじゅほうしょう) → 産業の振興や社会福祉の増進で優れた業績を挙げた方や、公共事務に尽力した方への褒章。藍(藍色)とありますが、ここでは青をイメージすると分かりやすいかと思います。

青には「心が広い」という意味があり、自身ではなく、人や社会に対して「考える」「表現する」力を持った方だからこそ受章出来るものと言えます。

◉紺綬褒章(こんじゅほうしょう) → 公益のために私財を寄付した方への褒章。この褒章に限り、秋のみ贈られます。紺には「壮大さ、神秘的」といった意味があり、「物の本質を見抜く」力の持ち主も表しています。

褒章制度を定める際に色彩言語を意識されたかどうかは分かりませんが、当てはめてみると全てしっくり来る内容です。褒章の見方が少し変わるかも知れませんね。

色彩言語を学ぶと、様々な発見があります。カラーセラピーでは、色彩言語を多用します。セッションやセラピスト養成講座を受ける中でも、その世界観を味わっていただければと思います。