色そのものは香らねど、色で連想する香りはある

先日、Eテレで放送されている『コレナンデ商会』で、「ピアノのさんぽ」というアニメーションのコーナーが放送されました。このコーナーは、グランドピアノが外を散歩し、そこで見たものや感じたことを楽しむという内容です。

この時の放送では、ピアノがお花畑にたどり着き、色とりどりの花を見たという内容で、その際のナレーションは下記の通りでした。

「赤い香り」
「黄色い香り」
「白い香り」

このナレーションを聞いて、カラーに携わるものとして非常に興味深く感じました。ナレーションではあくまで「赤い(黄色い、白い)香り」としか伝えていないのですが、何故かそれぞれの色の花が持つ香りと、具体的な花の名前が連想されたのです。

私が「赤い香り」と聞いて思い浮かべたのは、濃くしっかりと香る赤いバラでした。「黄色い香り」は、可憐で甘い香りのフリージア。「白い香り」では、優しくも落ち着いた香りのスズランを思い浮かべました。

アニメーションの花は、必ずしも特定の花を示すようなものではありませんでした。しかし、改めてそのアニメーションを見ても、やはり同様の連想となりました。連想する香りの特徴や花の名前は人によって変わると思いますが、連想すること自体はそこまで難くないように思います。

言うまでもなく、色そのものに特定の香りがある訳ではありません。しかし、「この色はこんな香りがしそう」という連想は、花に限らず出来るものなのです。

ここでは色(視覚)から香り、つまり「嗅覚」の連想を述べてみましたが、色から音(聴覚)や味(味覚)も連想出来ると言われています。場合によっては触覚も連想出来るかもしれません。五感に訴えかける何かがあるのでしょう。

「赤って怒鳴り声のようだ(顔を真っ赤にして怒っている人のイメージ)」
「黄色って酸っぱそうだよね(レモンのイメージ)」
「白って何かサラサラとした手触りかも(絹糸のイメージ)」

色から様々な連想をした方もあるのではないでしょうか。

色から五感に訴えかけることについては、カラーセラピーの講座の中では「共感覚」という言葉で説明することがあります。共感覚の詳しい説明はここでは割愛しますが、普段の生活の中でもこのような感覚を持つケースもあることは知っておいて損はしないでしょう。

「ピアノのさんぽ」に登場したグランドピアノは、様々な色とそこから感じられた香り、更にミツバチと一緒の時を楽しみ、そこでコーナーが終わっていきます。テレビから香りが流れることも無いのですが、コーナーが終わった後には甘い花の香りが漂うような感覚が続きました。