リーダーではない赤も、実は影のリーダーだった

突然ですが、あなたは「赤(赤色)」と聞いて、どんなイメージがありますか? 「熱血漢」や「リーダー(キャプテン)」「中心人物」などといったことを思い浮かべる方もあるでしょう。

以前に綴ったこともあるのですが、戦隊シリーズにおける赤は熱血漢でリーダーにもなり、中心人物と言える存在です。他の世界でも赤が中心を担うケースが多いです。

しかし、稀にですが、赤が中心を担っていないように思えるケースもあります。そのひとつに、日本テレビ系列で放送されている『笑点』の山田隆夫(山田たかお)さんが挙げられます。

山田さんは大喜利の座布団運びを35年も務めています。しかし、司会者でも解答者でもない山田さんは、赤い着物と座布団を持っていながら、脇役に徹しています。自己紹介も8番目です。

35年も続けていることで「熱血漢」と見ることは出来ますが、「リーダー」「中心人物」という言葉は本当に当てはまるのか?と思うこともあります。しかし、その疑問は山田さんの言葉で一気に晴れるでしょう。

あるフリーペーパーでのインタビューで山田さんは「座布団運びは唯一、舞台上で動き回れる存在」と語っています。確かに、他の出演者が座布団の上で正座したままであることを考えれば、活発です。

「座布団1枚持ってきて(持っていって)」と言われて素直に従うこともあれば、「何でだよ?」と吐き捨てながら対応することもある山田さん。時に解答者を突き飛ばして座布団を取り上げてしまうこともあります。

また、山田さんは座布団運びを引き受けるにあたって「チャップリンのようにパントマイムで(観客を)笑わせる」と決心したこともインタビューで語っています。

番組中の自己紹介では、音が外れたまま歌い切ったり、歌舞伎のように大見得を切ったり、少ない持ち時間の中で見せ場を作ることもある山田さん。正にインタビュー通りの活躍ぶりです。

そういった姿は、ある意味で「リーダー」であり「中心人物」にも映ります。座布団の行方が山田さん次第になる場面もあるとなれば、山田さんは「影のリーダー」とも捉えられるのではないでしょうか。

山田さんの前任者だった松崎真(まこと)さんも赤い着物姿でした。「手を上げて横断歩道を渡りましょう」のフレーズは流行語にもなりました。

大量の座布団をほぼ1人で持ち運びできる松崎さんも、見せ場を持った「影のリーダー」だったのかも知れません。

赤は目立つ色なので最初から目立った場所に居てリーダーの座を掴むようにも思われがちですが、脇に徹していながら要所を締める影のリーダーという姿もあるものなのです。