渡すだけではない「名刺」の意外な機能と使い方

2018年末以降、名刺のデザイン依頼を受ける機会が増えています。本日(2019年5月29日)現在、表立って「メニュー」と掲げていませんが、ご依頼をいただくことに大変感謝しています。(その後、名刺を含めたDTPデザインは正式メニューとなりました)

さて、ひと昔前は「名刺=縦長のもの」というイメージが強かったと思います。文字も多くが縦書きで黒一色。ロゴマークや写真が入ったものは極めて珍しいという印象もありました。

しかし、現在は「名刺=横長のもの」というイメージが強いですね。印刷技術が向上し、色柄や写真などで目を引くデザインも増えました。文字も横書きで書体(フォント)も様々です。

縦長の名刺は完全に廃れることは無いにせよ、横長の名刺が急速に増えたという印象が強いです。縦長の名刺が逆に個性的に映る時代でもあるかも知れません。

個人的には、縦長の用紙に横書きの名刺が好みでもあります。しかし、先日ご依頼いただいた方から「縦長の名刺ではちょっと…」というお話をうかがいました。

その方は以前にも名刺のデザインのご用命をいただき、横長の名刺を作りました。その方が名刺を持って、とある会合に出たところ、主催者から「ある物」を渡されたのだそうです。

渡されたのは、首から提げるタイプのネームホルダー。この写真とは異なり、何も挟まれていなかったそうです。主催者側から「手持ちの名刺をホルダーに入れてほしい」と言われ、指示に従ったとのことでした。

その方はふと「横長の名刺で助かったけど、これが縦長だったらどうしただろうか?」と考えたのだそうです。確かに、ネームホルダーで縦長のものは未だ見たことがありません。

そんなこともあって、今回のご依頼でも迷わず「横長に」とありました。但し、以前のデザインよりも色柄は抑えた方が良いだろうとも話されていました。

名刺は単に手渡しするものではなく「名札」としても機能する…そこで、以前のデザインよりも色面積を減らし、名前が引き立つように手がけました。名前以外の文字情報量も調整しました。

また、名刺には余白を十分に持たせ、ネームプレートで文字が切れるという状態を避けるようにも配慮しました。先日、完成した名刺を無事に納品し「これなら大丈夫」とお墨付きをいただきました。

そもそも「名刺」とは「名前を知って(覚えて)いただくためのもの」です。名札にも活用できる名刺デザインとは、名前がすんなりと目に入るものであるべきでしょう。

横長の名刺の広まりで、このような活用法がなされているとは知りませんでしたが、名刺が持つ意味を改めて考える良い機会となりました。